今日のenough君

午後5時頃、家庭教師先から1本の電話がかかってきた。家庭教師先からの電話連絡は、過去十中八九ドタキャンの連絡である。今日も今日とてその連絡だろう。溜め息交じりで電話をとる。


・・・


「え、合格!?」


何と電話は生徒さんが大学に合格したと言う、ご両親からの通達だった。受験していたことはおろか、受験しようとしていたことすら初耳だ。何でも指定校推薦枠を獲得し、見事合格を果たしたらしい。分数計算も出来ず、"enough"の意味も分からなかった子が、よくやったと思う。これを聞いて僕は安堵感で一杯になり、思わず親御さんに向かって「おめでとう!」と声を漏らしてしまった。これで任期も終わり、寂しくもある。
ところがこれで終わりではなかった。生徒さんが合格したのは工業系の大学なのだが、工業大学では物理と数学Ⅲの範囲を扱う講義がある。いま通っている高校ではこの科目は習っていないので、その授業を受け持って欲しいと頼まれたのだ。まさか大学受験範囲外のことに携わるとは思っていなかったのだが、それだけ評価してくれていると解釈し、単純に喜んで承諾した。
と言う訳で今までは火・木曜日の週2回(と言う形式上の契約)だった指導も、来週からは火曜日週1回の指導になります。今までもそうだったのだが、これからも変に気負うこと・気負わせることなく、今まで以上に垢抜けた指導をして行こうと思う。