グラムの定義

nakaoshi_kaos2011-11-11

今日は記念すべき2011年11月11日。
ゾロ目は見栄えが良いので、日本では多くの企業や団体がこぞって11月11日を記念日にしており、
かの有名なポッキー&プリッツの日以外にも、


・もやしの日:もやし4本の見た目から
・靴下の日:靴下2ペアの見た目から
配線器具の日:コンセント差込口の見た目から
・電池の日:「十一」がプラスマイナスに見えるから
鮭の日:圭の字が「十一十一」だから


なんて言うのもあります。
基本的に故事付けで、圧倒的に知名度が低いものばかり。


仮に覚えたしても、1年に1度しか役に立たないので、
今日はもっと恒久的にタメになる話をしたいと思います。


……皆さんは「1」を基準とする様々な単位の由来をご存知でしょうか?
例えば、1g、1m、1秒などなど。


基本的に自然界に存在するナニカを用いて定義していることは想像に難くないと思いますが、
由来を一つ一つ解き明かして行きたいと思います。(主に理系向けに書きます。)


■1g(グラム)
水1cm^3が1gであることは常識的な話なので、恐らくそれが由来だろうと思って調べてみたら、
やっぱりそんな感じでした。


正確には、「最大密度温度での蒸留水1mLの質量」のことです。
※1L=1000cm^3なので、1mL=1cm^3


最大密度温度というのは、文字通り密度が最大となる温度のことで、水の場合は3.98℃(約4℃)です。


まず、水に限らず、ほぼ全ての物質は、温度が上がると熱膨張により体積が増え、密度は小さくなります。
つまり、温度が下がると体積が減り、密度が大きくなります。


ただし、水は4℃以下に温度が下がると、水分子が水素結合することによって結晶構造(=氷)となり、
水分子の結晶構造は間がスカスカな六角形が並んだ形をしているため、
スカスカな分だけ体積が増え、密度が小さくなる、という、非常に珍しい性質を持っています。
直感的には、氷が水の上に浮かぶことからも想像できると思います。


要するに、水は4℃の状態が最も比重が大きく、
4℃より温度が上がっても下がっても、比重が小さくなるということです。
体積が同じなら、4℃の水が最も重いということですね。


この最大密度が4℃であるという水の性質は、生物にとって大変重要な意味を持っています。
それは、地上の気温が氷点下であっても、”4℃の重く暖かい水”が底に沈むため、
湖の水面のみが凍結し、底まで完全に凍結せず、生物が生存できるという点です。
(表面が氷で覆われた湖の底の温度は必ず4℃になります。)


4℃という温度は、生物にとって厳しい環境ですが、唯一の安息の地であり、生命の源であり、
この事実は”4℃”という女性向けファッションブランドの由来にもなっています。


以上、グラムから水の話題に脱線してしまいましたが、
時々こんな感じで小ネタを紹介していきたいと思います。乞うご期待!?