Chaotic Job Hunting vol.29.5

混沌的面接事情
〜滑り止め企業編〜


コンコン
私「失礼します。」
面接官「どうぞ。」
私「わたくし、**大学の**と申します。本日はよろしくお願いいたします。」
面接官「こちらこそよろしくお願いします。では早速ですが」
私「ここは滑り止めです。」
面接官「い、いきなり何を言うのかね、君!?」
私「あ〜しまった!ここは滑り止めだからあまり気負いせずに面接に望もうという心の声を口に出してしまった!あ〜!更に心の声を口に出したというすらも口に出してしまった!これではまるで私が滑り止めだから他社で内定を貰ったらここには行く気がないみたいじゃないか!ていうか実際そうなんだが、せめてこの場はちゃんと取り繕わなきゃ!」
面接官「・・・。」
私「ここの床の滑り止めは何ですか?」
面接官「知りません。」
私「スベラーヌ2000ですか?」
面接官「知りません!」
私「それともスベラーヌXPですか?」
面接官「知るかボケー!!!」
私「き、キレた!?」
面接官「・・・はぁはぁ、つい取り乱してしまいました。すいません。」
私「意外に冷静ですね。」
面接官「君こそよく冷静でいられますね。」
私「それが取り柄ですから。」
面接官「そうですか。とにかく怒鳴ったりして申し訳ありません。」
私「いえいえ。」
面接官「実はライバル社の商品の話をされたものですから、ついカッとなってしまって・・・。」
私「え!御社はあのスベラーヌ社とライバル関係だったのですか!?」
面接官「ええ、ご存じなかったですか?」
私「はい。ていうかそんな会社知りません。」
面接官「そうですか。まぁいいでしょう。入社後には嫌でもスベラーヌ社を意識することになりますから。」
私「それはホントに嫌ですね。」
面接官「何か?」
私「いえ、こちらこそ変に取り繕ったりして申し訳ありませんでした。」
面接官「分かればよろしい。では、今回は私の方にも落ち度がありましたので、気を取り直して初めから面接をやり直すという形はいかがでしょうか?」
私「是非ともそうさせて下さい。」
面接官「分かりました。それでは早速どうぞ。」
私「コンコン。」
面接官「その辺は飛ばしてください。」
私「ここは滑り止めです。」
面接官「貴様ーッ!!!」


〜続かない〜